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【長太農場/新十津川町】

自由で無邪気な米農家 好きなことを楽しむ農業のかたち
【長太農場/新十津川町】

長太農場

企業・団体のビジョンやミッション

家業を避けて

新十津川町の花月地区、ピンネシリの山を望む広大な田園の中、自由な生き方がしたいと農業を営む長太農場さんにお話を聞きました。
代表の長太均さんは新十津川町出身。ご実家が元々米農家でしたが、最初は家業を継ぎたくなかったと話します。「高校卒業して一時農協に勤めたんですが、4か月で辞めちゃって、ちょっと町に居辛くなったんで車中泊しながら少し放浪しました。戻ってから色々勤めてみたんですが、協調性が足りないのか、続かないんですよね(笑)。」給料が良いからプロパンガスを運ぶ会社に勤めたり、車が好きだから車の製造ラインの仕事をしたり、職を転々とした後、最終的に家業を継ぐ決断をします。「長男だし、跡取りだし、最後は農家あるしっていう、最初仕事というものへの気持ちは適当でしたね。」と言います。
奥さんの葉子さんと出会ったのは共通の趣味のバイク。大型免許を取得するための学校に行ったのがきっかけでした。葉子さんは砂川市の出身で、元々農業とはさほど関わりもなく、 空調、水道管設備の工事、管理を主に行う会社で事務の仕事をしていました。

慣習への疑問

米農家と言えば、農繁期は特に忙しいイメージです。葉子さんはそんな農家特有の空気感が嫌だったと話します。「農家とはいえ時間を作ろうと思えば作れるはず。この時期農家は忙しそうだから誘いづらいとか、家に遊びに行くのも申し訳ない、みたいな気遣いをしてもらいたくなかった。」と言います。そこで葉子さんは作業面での役割分担や体制を見直すことにしました。「最初はよく言い争いしてました。」と均さん。「忙しい時期に2泊で出かけちゃったりするものですから最初は驚きましたよ。最初は『どうせ無理』とか『そんなもんでしょ』って思ってましたけど、やってみたら変わるもんだなぁと今では思いますよ。逆にあのまま『農家のレール』に乗り続けていたら、僕はまた疲れちゃっていたかもしれません。」今では積極的に葉子さんの意見を取り入れ、自分たちが暮らしやすい農業の形を目指すようになったといいます。

「農家って気を付けていないと、自分の家のことしか見えなくなる職業かもしれません。」と葉子さんは話します。町の外にも必要な情報を持っている人にはできるだけ会いに行きます。そこで得た情報や人の縁もまた、自分たちの目指す暮らしに役立っているのだとか。また、道外で知り合った方が農場に遊びに来てくれたり、長太農場の商品を買ってくれることも多いと言います。

町の伸びしろ

葉子さんからみた新十津川町の印象を聞きました。「自然、景観、水の豊富さは近隣に比べても豊かな方ではないでしょうか。立地の面でも便利な方だと思いますよ。」と言う一方で、「もう少し資源に目を向けても良いかなと思います。もっと地域の宝を活かした何かができるはず。若い人もいるし、伸びしろはまだまだあると思います。」と話します。葉子さんにお気に入りの写真を見せて頂きました。自宅の窓から見えるピンネシリの山と、冬の間一面に広がる雪原がとても綺麗です。すぐ近くにこうした豊かな自然があるのも、田舎ならではの貴重な環境と言えそうです。

思いつきが道しるべ

自然栽培米やミニトマトに挑戦しようと思ったきっかけは、ずばり自分たちが食べたいから。自分たちが食べたいものを人にも勧めたいと言います。「うちの場合はとにかく自由に働いてる感じでしょうか。挑戦しないことには道は拓けませんし、成功しようが失敗しようが、自然には左右されますが他に誰かを責めることはできません。やりたいことをやってみるのも自分たちの責任。その辺、気は楽ですし楽しいですよ。」と均さん。自分が育てたいものをすぐに試せるのが農業の魅力だとも言います。ホームページからは、自分たちが食べたいものであるからこそ、試行錯誤も苦にはならない様子が伺えます。
また、「自分の家の味も作ってみたいですね。」と葉子さんは話します。「米麹や、味噌、漬物、農家の家でごく普通に作られていたその家独自の味。自分の家にあるものを子供にも伝えていきたいし、古くからあるものを繋げていくのも農家としての務めだとも思っています。」また、均さんには豚を飼う夢もあるのだとか。「自分で育てた豚を食べてみたいですね。遺伝子組み換え飼料ではなく、できれば自然栽培の飼料で安全に育てた生き物を食べたいです。」と植物以外の食べ物に対する姿勢も話してくれました。

代表者からのメッセージ

新十津川町の場合、0から農業をスタートするのは厳しいと思います。どこかで修行して独立するのなら可能性はあると思いますし、農業で生活を成り立たせたいと本気で思う方がいれば受け入れていきたいと思っています。

企業・団体の魅力

自然栽培に目を向けたのは、人間にとって生活の基本である食を大事にしたいという気持ちから。また、好きなことをできる仕事の姿勢を子供たちにも見せていきたいと長太さんは話します。幼いころから楽しそうに仕事をする姿を見ていれば、子供たちも農業に興味を持ってくれそうですね。
自由なことをしているように見える一方で、安心なものを作っているという信頼を得る努力も欠かしません。自然栽培米「北輝雪」やミニトマト「真紅珠」の商標登録をしたり、有機JASや食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証であるGAPの取得も目指しています。

コーディネーターからもひと言

私自身、米農家さんと言えば決められたものを坦々と作り続ける大変な職業、特に新十津川町は農地面積が広い方で、農繁期はとても忙しいというイメージが強く、その時期は声をかけにくいという印象がありました。長太さん自身が最初は嫌だったと話す農業ですが、慣習に疑問を持った奥さんとの出会いにより、少しずつ仕事に対する姿勢も変わっていった様子が伺えました。好きなことをする環境づくりの大切さと農業は楽しいものだと伝える長太さん。マイナスイメージを覆し、若い人が挑戦しやすい農業の形を見せてくれました。(岩見沢・滝川エリア ローカルワークコーディネーター 髙野 智樹)

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