移住者インタビュー02

自信を持っておいしいと思えるものは、
子供も素直にすごく食べてくれます。

崎原 元貴さん 敬子さん

ロッククライミングが縁で出会った元貴さんと敬子さんが、外国で気づいた日本の食糧自給率の低さ。地元の餌や資源を使った循環型農業をめざして北海道へやってきた二人の理想を現実にしてくれたのは、士別市での庭先養鶏でした。

士別市 平飼い養鶏農家
33歳 大阪府出身 崎原 元貴さん
37歳 愛媛県出身 敬子さん

インタビュー動画
  1. 移住のきっかけは?

    農業で日本の食料自給率アップに貢献したいと思って。

    僕たちはロッククライミングがきっかけで出会ったんですが、カナダの大きな岩壁にチャレンジしたときに、カナダ人の食に対する高い意識に触れて、客観的に日本の食料自給率の低さについて考えるようになって。夫婦で農業ができないかという話になり、北海道への移住を検討しました。

  2. 移住先の決めては?

    雪は覚悟して、台風の被害の少ない北海道を選択。

    高校時代に北海道を自転車で一周した経験があったことと、農業をやる上で北海道は台風の被害が少ないことが決めてでした。雪も大変かなとは思いましたが、どうしようもなく深刻な事態に陥るかもしれない台風の被害は避けたかったんです。

  3. 移住のプロセスは?

    北海道の農業に慣れるため、まず酪農家の従業員として勤務。

    当初は、雪が降っても一年中できる酪農をやろうと考えていました。それでまず、興部町で酪農家の従業員になったんです。北海道の冬を僕一人で越えてみようと思って11月頃に来て、春になってから妻も来て、二人で1年半ほど働きました。

  4. 移住に当たっての不安は?

    庭先養鶏にふさわしい場所が見つかるまでは心配でした。

    僕たちの目指す養鶏にとって、ちょうどいい土地と家が見つかったのでスタートできましたが、それまでは心配でした。新規就農を目指していても、研修中に家や土地が見つからなくて諦める人もいるんです。本当にラッキーでした。

  5. 酪農から養鶏に路線変更した理由は?

    北海道産の餌にこだわりたくて、養鶏へシフトチェンジ。

    次は隣町の雄武町で「酪農ヘルパー」を2年やって、合計で3年半ほど酪農の仕事をする中で、どうしても輸入飼料に頼らざるを得ない現実を知りました。道産の餌だけでできる平飼い養鶏をやろうと考えて士別に移り住んで5年目になります。

  6. 仕事の内容を教えてください。

    ニワトリが毎日産む卵を、士別市内へ宅配しています。

    ニワトリを平飼いして、産まれた卵を士別の個人宅へ宅配するのが主な仕事で、ほかに何件か全国発送もしています。生後1日のヒヨコを飼うところから始めて、だいたい3ヵ月から4ヵ月くらいから卵を産み出します。うちは北海道産の餌にこだわっているんですが、その餌の調達が一番大変ですね。

  7. 卵のほかに取り組んでいるものは?

    廃鶏を使ったスモークチキンも販売しています。

    ニワトリが卵を産み始めて1年くらいたったら、今度は廃鶏といって、お肉として出荷します。これを隣町の後藤燻製さんでスモークチキンにしていただいて、それもまた卵のお客さまを中心に販売しています。

  8. 1日のスケジュールは?

    午前はニワトリの世話と採卵、午後は市内へ宅配です。

    朝の4時半に、僕がニワトリの餌やりに鶏舎へ行きます。それが終わって6時から家族で朝ごはんを食べて、7時頃に僕が卵を集めてきます。8時に息子を保育園に送っていって、帰って9時頃に2回目の卵を取りに行って、取れた卵を妻が磨いて配達用のパックに詰めたり、全国配送の用意をします。それから僕は餌づくりなどの作業をして、11時から11時半頃にまたニワトリに餌をやったり水を換えたり。昼食を食べて、午後はクルマで市内を宅配して回ります。

  9. 休日は取れていますか?

    土日の午後は子供のために空けられるようにしています。

    早く仕事を軌道に乗せようという思いが強くて、なかなか休日が上手に取れない状況でした。子供ができてからは家族の時間も大事にしようと、できるだけ午前中で仕事を終わらせて、午後からはゆっくりする日を増やしたりしています。

  10. 子育ての環境としてはどうですか?

    親が一所懸命に働く姿をいつでも見せられる環境です。

    日中は保育所に預けていますが、でも二人ともずっと家には居るので、いつでも一緒にご飯を食べられて、畑でじゃがいもを拾ったり、雑草をむしったりというお手伝いもさせられる環境というのがすごくいいと思います。

  11. 移住してよかったことは?

    子供が生まれて、ここで農業をしてよかったと実感しました。

    私たち両親が子供と接していられる時間は、サラリーマン家庭よりも多いんじゃないかと思います。毎日息子が取れたての卵や野菜を食べている様子も、都会に住んでいたら見られなかったでしょう。僕らが自信を持っておいしいと思えるものは、子供も素直にすごく食べてくれる。そういう姿を見ると、自分たちがやってきたことは間違いじゃなかったと思えるようになってきました。

  12. 移住の先輩として一言!

    あれこれ考えるより思い切って飛び込んでみる、
    そうすればなんとかなることも多いですよ。

    不安も多いかもしれませんが、どんなことでもやればなんとかなるものですし、そうして成長していけるのが田舎暮らしだと思います。できたら、体力のあるうちに思いきって移住してみては。若い人が少ないということもあって、よく来てくれたと言われることも多いですし。本当に親身になってくださる方々のおかげで、自分たちも生活できていると実感しています。

北海道暮らしのこぼれ話

手づくりの平飼い鶏舎
おいしい卵はのびのびした環境から産まれます。

平飼いとは地面の上で放し飼いの状態にする飼育法です。小屋の中を自由に走り回ることでニワトリたちも健康に育ち、おいしい卵を産んでくれます。どこで産むかわからない卵を拾って歩くのが大変ですが(笑)。実はこの小屋も、廃材を使って自分たちで建てたものです。

崎原さんに学ぶ!移住のポイント

  1. 01しっかりした
    問題意識と目的を持った
  2. 02勤務やヘルパーで
    酪農家の仕事を知った
  3. 03子どもとの時間や
    食育を大切にしている
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